MEKE3コラム
2020.03.27
前処理剤作りの選定
薬品メーカーの解析結果を見ると、ほぼ予想通りで、主たるものは、インクを表面に留めるもの、ただ、後のモノが問題で、簡単に言えば、プリントなどに使われるバインダー的な薬剤。これが、前処理剤跡を濃くして洗っても落ちにくくしている。塗布後に熱を加えれば加えるほど定着し取れなくなるし熱黄変も起こる。ならば、組成が同じで、架橋性が無く、繊維と結合しない上に、インクと反応した部分だけ反応し定着する薬剤を選び出す。主たるインクを表面に留めるものは、絶乾したときに、皮膚障害がおこり難いものが最低条件で、解析した他社と同じものは使用できない。各濃度の適正も調べたいので、原液・原体の薬品を集めて、配合試験を行うことにした。
まず、収集した薬剤を単体で、一定の濃度で前処理し各実力試験を行った。組み合わせを減らすために、各役割別に薬品を絞り込むことにした。方向性と選定が終わった段階で濃度試験を行った。
後は、組み合わせの問題なので、薬品を調液し試作をスタートする。
初めに、ポリエステル淡色用の前処理剤から取り掛かる、理由はインクそのものの実力で定着させれば良いので、前処理剤の薬品混合が少なくて済み、組み合わせがシンプルになる。何度か試作を繰り返し、インク濃度、耐久性も問題無く、処理跡が見えにくいポリエステル淡色用の前処理剤が完成した。これをヒントに、濃色綿用、濃色ポリエステル用の前処理剤を試作することにした。