MEKE3コラム

2020.12.30

画期的な新しいタイプの前処理剤

今年に入り、入荷時の製品汚れや、色のロットブレ、表面の毛羽立ちが目立つようになりました。原産国が変わるに連れ品位も低下しているように思えました。ガーメントプリントの場合、綺麗にプリントを仕上げる為、プリント前のプレスで氷の表面のようにフラットにする必要があります。凸凹が多いと細部まで表現できません。中途半端に毛羽を押さえると、使用や洗濯により毛羽が立ってプリント面の剥離にもつながります。製品の毛羽量や個体差によるプレスの仕上がりを見極めるのには、少し慣れが必要と感じていました。
製品の状態に関係なく、初めての人でも簡単に前処理ができる方法が無いかと試行錯誤して、ある考えにたどり着きました。ポバールプリント的な発想です。

「穏やかな水面にプリントできれば、底の凸凹は関係ない」

生地の表面に水面を作り、その上にプリントする事ができれば、製品の状態に関係なくプリントできます。ただ、スプレーなどで表面を処理しても、生地の毛羽や凹凸に沿って水分が付く程度で製品の状態に影響されます。そこで思いついたのが、シルクプリント方式で、シルクの厚み分だけ生地表面に水面ができます。シルクでの前処理は従来から作業しているので簡単にできますが、ご想像通り、にじんでしまいます。
いかに滲みを止めるか、薬品調合と実験を繰り返したのですが、完全に滲みを止めることができません。そこで当社が導入している各機械メーカーの技術とインクの組成について開示をお願いする会議をしました。が、良い返事がいただけません。仕方がないので、薬剤メーカーの技術者に聞きながら、ひたすら実験を繰り返して、滲みを止める事ができました。ガーメントプリント機から出てきたプリントは今までにない綺麗な品位で、これが、本来のプリント機の実力と、少し感動しました。できあがった前処理剤は、仮名「WonW/ウエットオンウエット」としました。

以下、You Tubeで動画を作成しました。

製品の状態に関係なく誰でも簡単にプリントできるのが、お分かり頂けると思います。

次回、新年度は、WonW前処理剤の進捗や他社との比較です。